ノイズ対策ガイド

ノイズ対策の基礎【第11回】チップ三端子コンデンサの使用上の注意

今回は前回のチップフェライトビーズに続いてチップ三端子コンデンサの使用上の注意やノウハウの紹介です。

1. チップ三端子コンデンサを多層基板に実装する際の注意

チップ三端子コンデンサは通常の二端子コンデンサと比べてグランド端子のインピーダンスが低いのが特長で、これが高周波ノイズ除去性能のポイントとなっています。この特長を引き出すためにはこれを実装するパターン設計に注意する必要があり、グランド側のパターンをできるだけ太く短く設計します。多層基板に実装する場合も同様の考え方が適用できます。

図1は多層基板において、三端子コンデンサの実装方法を変えてGND層との接続状態を変化させてノイズ除去効果の違いを調べた例です。この例ではGND層はマイコンを実装した面と反対側に近いところに置かれています。Aの例ではマイコン実装面と反対側の、GND層に近い側に三端子コンデンサを実装して、GND層との間の接続を短くした例です。

これに対してCの例では、三端子コンデンサをマイコンと同じ面に実装し、その結果GND層との間の距離がAよりも長くなった例です。AとCのノイズレベルに顕著な差があることがわかります。
GNDパターンを考慮する際、つい平面的に考えてしまいますが、Viaの長さも考慮する必要があります。なお、図1のBは三端子コンデンサへの電源の入出力をAのように明確に分離せず、同じ層に通した例です。
(文面では説明しにくいので説明図を参照ください)

この時のノイズレベルはAの時よりも若干増えています。
これは、三端子コンデンサへの入り口と出口のviaが接近しているため、ノイズの一部が三端子コンデンサの中を通らずvia間の静電結合によってバイパスしてしまったものだと思われます。このように、三端子コンデンサの性能を引き出すためにはコンデンサの外部の引き回しに注意する必要があります。
図2に、チップ三端子コンデンサ実装のポイントを記載していますので参照ください。

図1 GND層との接続方法の違いによる効果の違い
図2 チップ三端子コンデンサの実装時のポイント

2. チップ三端子コンデンサの非貫通接続

チップ三端子コンデンサは通常は電源ラインなどノイズを落としたいラインのパターンをカットしてその間に挿入し、GND端子を接続するという使い方をします。(図3)最近、ちょっと変わった接続方法が提案されていますので紹介します。

この方法はIC電源のパスコンとして三端子コンデンサを使用する場合において、ICの電圧変動安定化を優先する場合に適しています。図4がその接続方法です。図3の場合と異なり、電源パターンはカットせず、両端子を電源ラインに接続します。
電源ラインが三端子コンデンサを貫通しない接続方法なのでこの接続方法を「非貫通接続」と呼んでいます。こうすることにより、電源ラインとコンデンサとの間の接続が並列となるためこの部分のインピーダンスが半分になり、バイパス経路のインピーダンスが低下しICの電圧変動が低減されます。

また、図にあるようにGND側のViaと電源側のViaが隣り合うようにすることによって両者の電流によって発生する磁束が打ち消し合い、この部分のインダクタンスが見かけ上低下し、更にインピーダンスを下げる効果があります。
ただし、電源ラインをカットして三端子コンデンサを挿入した場合と違い、ノイズの一部は三端子コンデンサを通らず電源ラインを通過してしまうので、外部に流出するノイズを低減させる効果は従来の接続方法に比べて少なくなります。 

図3 チップ三端子コンデンサの貫通使用 (従来からの使い方)
図4 チップ三端子コンデンサの非貫通使用 電源パターンをカットせずに、両端子を接続する

担当:村田製作所 コンポーネント事業本部 販売推進部 三屋 康宏

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