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革新の担い手を育てる人材育成プログラム「Make2030」とは?(前編)

ムラタでは、未来の経営リーダーを育成するために、2022年5月から1年半に亘り、新たな人材育成プログラム「Make2030―革新の担い手となれ―」を実施しました。

組織を超えた受講者同士の対話を促し、視野・視座を広げることで未来への創造力を養うプログラムを通じて、ムラタはどのような変革やキャリア形成を後押ししているのでしょうか?そして、ムラタに根付く人材育成の風土がもたらした影響とは?

「Make2030」の運営に携わった人材開発部の西田、松村、高見、實熊がプロジェクトを振り返ります。

1. 「Vision2030」実現の担い手となる中堅層を育てる

ムラタの新しい人材育成プログラムとして、2022年5月にプロジェクトが始動した「Make2030」。その始まりは、ムラタが抱えるさまざまな課題を持ち寄り、話し合った社内会議でした。

高見「『Make2030』は、人材開発部と経営戦略部が抱える課題をすり合わせたうえで、中堅層を対象とした研修としてプログラムを構築して行きました。人材開発部としては、30〜40代の中堅層への次世代リーダー育成が手薄ではないかという課題を抱えていました。将来的に経営に関わることが期待される中堅層に対して、早期にムラタの将来像と向き合い、自分ごととして考える機会を設けることで、次世代リーダーとしての力を育みたいと考えました」

人材開発部 高見のイメージ画像
人材開発部 高見

松村「当時、私は経営戦略部の一員として、人材開発部とのディスカッションに参加していました。経営戦略部としては、ムラタの長期構想である『Vision2030』に基づき、『ありたい姿』を実現するため、『Vision2030』のメッセージを社内に浸透させ、かつ、従業員一人ひとりの成長戦略への共感や自分ごと化を促す必要性を感じていました」

人材開発部 松村のイメージ画像
人材開発部 松村

高見「こうしたお互いの課題感を持ち寄り、プログラムを検討するなかで、『中長期の理解向上』『チーム活動』『リーダー像の明確化』という3つのSTEPを研修の大きな枠組みとして設定することとなりました」

松村「また、長期構想として掲げる『Vision2030』の実現にむけ、今後中心的な役割を担ってもらいたい人材を対象とした研修であることから、研修名を『Make2030』としました。ムラタの未来を作って行く当事者として活躍してもらうことの期待感を込めています」

『中長期の理解向上』『チーム活動』『リーダー像の明確化』の3つのSTEPを解説する図

2. 組織や業務を横断的な視点でみる力を育む

高見「まず、プログラム全体を通して受講者に意識してもらいたいポイントとして、『未来を妄想するクセ付けを行おう!』『自身の行動につなげよう!』『チーム連携で可能性を広げよう!』という狙いを明確にしました。ただ、これらは『Make2030』の受講者に限らず、全従業員に意識してほしいポイントでもあると考えています」

プログラム全体を通して受講者に意識してもらいたい3つのポイントの説明図

西田「ムラタには『エレクトロニクス産業のイノベーションを先導して行く存在でありたい』という思いを込めた『Innovator in Electronics』というスローガンがあります。今後も『Innovator in Electronics』であり続けるためにも、この3つを有した人材を育成して行くことは重要だと考えています。特に、変革を引っ張って行ってもらいたい人材には不可欠なものであると考え、『Make2030』でも重要なポイントとして設定しました」

人材開発部 西田のイメージ画像
人材開発部 西田

受講者は、30〜40代の中堅従業員を中心に約130名を選抜。事業部の垣根を超えた、組織横断的な人選は「Make2030」の大きな特徴です。

西田「会社の規模が大きくなり、組織も複雑化してくるなかで、次世代リーダーには組織や業務を横断的な視点でみることのできる力が必要だと感じました。これまでムラタではさまざまな研修を行ってきましたが、ここまで大規模な組織横断型は初の試みです」

松村「これだけ大規模になると関係者も増え、かつSTEPを3つに分けた1年半にわたる研修でもあることから、実施にあたっての影響は大きく、通常業務にも一定の支障を及ぼしてしまう懸念もありました。けれど、ムラタには昔から人材育成を大切に考える風土が根付いています。ムラタらしいこうした風土があることが支えとなり、『Make2030』を実行することができたと考えています」

實熊「私は入社年数がまだ浅いですが、ムラタが培ってきた人材育成を大切に考える風土を感じることは多々あります。これまで経験してきた業務のなかで、人材をどのように育成して行くかについて、真剣に考えている上司がたくさんいることを実感してきました。また、上司と部下の対話がしっかり行われていると感じることも多いです」

人材開発部 實熊のイメージ画像
人材開発部 實熊

3. 対話を通じて視野・視座を広げ、会社の未来を創造する

研修プログラムの3つのSTEPに共通する「対話」の重要性も、「Make2030」の特徴のひとつです。

高見「同じ部門や業務で深い関わりがある従業員間では、日常的に対話が生まれます。しかし、会社の規模も大きくなり、従業員数も増え、事業や拠点を超えた対話が難しくなりつつあります。そこで、『Make2030』を通じて組織横断的な対話の場を設ければ、それぞれの部署の課題を知る機会につながり、それらが全社共通の課題になるかもしれないという期待がありました」

そこで、ただ受け身で研修を受けるのではなく、受講者同士が話し合うワークショップ、受講者がアクションプランを考えるチーム活動などをプログラムに取り入れました。

高見「今後、事業環境の変化がますます激しくなって行くなかで、自分たちの会社の未来を真剣に考え、話し合い、行動につなげ、未来を創造して行くことができる人材こそ、次世代リーダーに不可欠だと思います。そのため、『Make2030』では自分のアイデアやムラタの課題について話し合い、試行錯誤することで視野・視座を広げ、行動につなげることを重視したのです」

松村「『Make2030』では随所で経営陣にも参加してもらいましたが、経営陣が会社の未来についてどのように、どれだけ真剣に考えているのかを直接感じてもらうことができたことも、研修の意義として大きかったのではないかと思います」

※所属部署は2023年6月時点です。

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