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人材育成×muRata

革新の担い手となる意識の変化はどのように生まれたか?(後編)

6. 自分自身の価値観や環境と向き合い、自分なりのリーダー像を描く

人材育成プログラムのSTEP3では、自身のキャリアと向き合い、リーダー像について対話する「リーダー像の明確化」に取り組みました。

『中長期の理解向上』『チーム活動』『リーダー像の明確化』の3つのSTEPを解説する図

育成責任者との1on1や、役員・部門長クラスへのインタビューを行うなかで、自身が思い描くリーダー像を言語化して行きました。

原口「1on1を通じて上長とコミュニケーションを取ることで、信頼関係が深まって行きました。最初の1on1で提出したリーダー像については『抽象的過ぎる』と指摘され、修正すると『部下の視点から、このリーダーのことを尊敬できる?』と言われてはっとしました。さまざまな視点から自分がしたいこと、なりたい自分を思考することで、ようやく腹落ちしたリーダー像にたどり着くことができました」

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新規事業推進部 原口

森安「私は所属部門長に3年ほど育成責任者としてサポートしてもらっており、心のどこかでその人の期待に応えたいという考えがありました。けれど、1on1で『リーダーになることをタスクとして捉えずに、自分がなりたいリーダー像や、そのために必要なことを考えよう』と言われ、自分自身を見つめ直すよい機会になりました」

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ミリ波事業推進部 森安

首藤と中島は、仕事と育児を両立する女性という立場から、自身のリーダー像を明確にして行ったと言います。

中島「部門長クラスの人に対し、強い意志とリーダーシップを持ってバリバリ働いているという先入観があり、『自分には向いていない』と思い込んでいました。けれど、実際に話を聞いてみると、部門長クラスの人もリーダーシップについて悩み、学びながら日々進化されており、同様にワークライフバランスにも苦労されていることを知りました。上長からも『中島さんに誰かと同じリーダーになってほしいわけじゃない』と言われ、先入観にとらわれず、自分なりのリーダー像を描こうと考えるようになりました」

化学デバイス商品部 中島のイメージ画像
化学デバイス商品部 中島

首藤「現業や子育てに追われるなかで『私は本当にリーダーになりたいのだろうか?』という疑問に突き当たりました。そうした本音を上長に伝えたところ、『首藤さんらしいリーダー像はどんなものか。そして、周囲のどんなサポートがあれば前向きになれるのかを教えてほしい』と言われ、あらためて自分の中にある不安の根源や、自分だから発揮できる価値に向き合いました。そこから自分なりのリーダー像を考えて、私のような女性で時短勤務の人でもリーダーになることは、次の人のために道を切り拓くことなのだと思い至ったのです」

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生販システム部 首藤

中島「首藤さんと同じように、私も女性として多様なリーダー像を実践して行ければと思っています。その際、部門長クラスの人から吸収した信念や人間味を大切にしたいですね。それは仲間への想いだったり、商品への愛情だったり、形はさまざまですが、自分が大切にしている信念を未来につなげて行けるリーダーになりたいと思いました」

7. ムラタの可能性を、変革を、人材育成の文化を次の世代へ

組織の垣根を超えた130名の従業員が参加し、長期構想「Vision2030」の旗振り役となるリーダーを育てるためにスタートした「Make2030」。1年半に亘る研修プログラムを通じて、自身のなかで変化したことはなんでしょうか?

首藤「自分たちの会社についてより広く、深く知ることができたこと、自分自身を新しい視点で見つめ直すことは大きな変化でした。ムラタは可能性だらけの会社なのだとあらためて気づかされましたね。また、『Innovator in Electronics』というスローガンへの理解も深まり、私たちはお客様に製品を供給する責任や、環境に対する社会的責任を負っているという強い自覚が芽生えました」

中島「ムラタには人材育成に積極的な文化が根づいており、私自身、入社以来、しっかり育てられてきたという感覚があります。今回も現業が忙しいなかで、上長が背中を押してくれて『Make2030』に参加することができました。こうした人材育成のバトンを次の世代につなぎたいと思うようになったことは大きな変化だと思います」

森安「普段は知り合うことのないメンバーと出会い、相手に寄り添いながら本音で話し合えたことは大きな成長につながりました。自分自身の変化と同時に、ムラタも変わろうとしています。『Make2030』を通じて、ムラタが変革に対して本気なのだと肌で感じられたことも嬉しかったですね」

原口「私は中途入社ということもあり、これまでは専門的な能力やスキルを求められていると思い込んでいたのですが、私という個人に期待されていることを知りました。そして、『Make2030』を通じてムラタのことがもっと好きになりました。今後は、自分の力で近場から少しずつムラタを変えて行きたいと考えています」

8. 「Make2030」で出会った仲間と、よりよい未来を創造するために

「Make2030」の人材育成プログラムが終了した現在も、共に研修を受けたメンバーとの交流は続いていると言います。

中島「チームのメンバーとは、研修が終わった今も定期的な打ち合わせを続けています。1年半に亘る研修を一緒に乗り越えた仲間という感覚がありますね。あらためてムラタはよい会社だなと思ったので、まずは半径5メートルから、そのよさを周りに伝えて行きたいと思っています」

首藤「私たちも、興味を持ったテーマについて常にアンテナを立てており、みたこと、知ったことはメンバーと情報交換しています」

原口「同じ考えや想いを持った仲間をどんどん増やして行きたいですね。今回の受講者は約130人でしたが、今後はここで得た気づきや学び、活動を全社、全従業員に波及させたいと思っています」

森安「私も『Vision2030』のアンバサダーとして、半径5メートルから『Make2030』で得たものを伝えて行きたいと思っています。『Make2030』の仲間がいれば、きっとムラタのよりよい未来を創造できると確信しています」

首藤「今度は『Vision2050』に向けたアクションを始めないと!というマインドも芽生えましたね」

森安「5年後か10年後か分かりませんが、『Make2030』の仲間と再会して、革新につながるアクションを起こしたいですね」

※所属部署は2023年10月時点のものです。

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