ノイズ対策技術 / 事例紹介(自動車)
ADASを見据えた車載Ethernet 1000Base-T1ノイズ対策-1
INDEX
1. 自動車における車載Ethernetの普及
ADASを支える機器として、各種センサやカメラが搭載されるようになっています。カメラのデータ転送にはLVDSなどのインターフェースが利用されていますが、LiDARなどのセンサのデータ転送には車載Ethernetが採用される事例が増えています。事務用のEthernetには100Base-TXや1000Base-Tといった規格が採用されていますが、自動車用としては、100Base-T1や1000Base-T1という規格が定められています。
2. 車載Ethernetによる信号の伝送
Ethernet等の車載インターフェースでは、外来ノイズの影響や放射が少ない差動伝送信号が用いられています。差動伝送信号ラインにおいては、外来ノイズが両ラインに同様に乗ってくることが多いため、その差分には影響がなく、外来ノイズに強いという特徴があります。また、対となる信号ラインが隣り合っているため、信号電流によって発生する磁界が打ち消し合い、外部にノイズとして放射しにくいというメリットがあります。
外来ノイズに対して
ノイズの放射に対して
3. 車載Ethernetにおけるノイズ問題
ノイズを発生しにくいとされる差動伝送ラインですが、様々な要因でコモンモード電流が発生し、ノイズ問題となります。
色々な要因でコモンモード電流が流れる
4. コモンモードノイズの発生要因
もともとコモンモードノイズを発生しないのが特徴である差動伝送ラインですが、両ラインの信号にスキュー(時間的なズレ)があったり、振幅のズレがあったりすると、両ラインの信号バランスが崩れてコモンモードノイズが発生します。
ディファレンシャル
コモン
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