DLW32SH101XF2

ノイズ対策技術 / 事例紹介(自動車)
INDEX
CAN FDとは、自動車内のECUやコンピュータをつなぎ通信する車内LANの一種です。CAN FDは、従来の規格であるCANよりも高速で通信できます。
CAN FDは従来のCANよりビットレートが高速化しています。
これにともない、CAN通信の際に発生するエミッションノイズの問題が増加します。
CAN FD等のインターフェースでは、差動伝送とよばれる伝送方式が用いられています。
差動伝送では2本の信号線の間の電位差によって信号を伝えるため、外部からの放射ノイズの影響を受けにくい特長があります。また、信号によって両ラインに発生する電波はお互いに打ち消し合うため、外部にノイズとして放射されにくくなります。
ところが、基板上ではさまざまな要因によりコモンモード電流が発生します。これが差動伝送ラインのケーブルに流れ込むと、ケーブルからコモンモードノイズが放射することになります。
コモンモードノイズの対策にはコモンモードチョークコイルが適しています。
コモンモードチョークコイルは両ラインを磁気結合させたコイルで、差動信号などのディファレンシャルモードの信号には影響を与えずに、コモンモードのノイズだけを除去できるものです。
コモンモードノイズは原則コモンモードノイズを除去する働きを持ちますが、両ラインのコイルのバランスが崩れると、モード変換が起きて、ディファレンシャルモードの信号の一部がコモンモードに変換されてノイズとなることがあります。このため、モード変換の少ないバランスの取れたコモンモードチョークコイルを使用することが重要です。
CAN FDで求められる性能をクリアしたコモンモードチョークコイル
部品サイズ : 3.2×2.5mm
コモンモードインダクタンス : 100μH-30%/+50%(at 0.1MHz)