ノイズ対策技術 / 事例紹介(自動車)

車載機器の電源回路におけるノイズ対策事例-ノイズ対策の実行

対策方法を決定し、3パターンそれぞれのノイズがどれだけ低減できたか確認しました。

ノイズ対策の方針

調査結果に基づき、以下のような対策を行います。

伝導ノイズの対策

ノーマルモードノイズ対策を主眼においた対策を行う
→ 電源コネクタ近くにLPFを挿入する。 ・・・全周波数のノイズ対策
【例】 インダクタ:LQH5BPZ4R7NT0+コンデンサ:GCM188R71E105KA49

放射エミッションの対策

降圧型DCDCコンバーターのノイズ対策として、以下の手法が有効です。
→ 回路基板にシールドを取り付ける。 ・・・~20MHz付近のノイズ対策

→ 電源コネクタ直近にCMCC(コモンモードチョークコイル)を挿入する。
・・・20MHz以上のコモンモードノイズ対策
【例】 PLT5BPH5013R1SN

→ 電源コネクタ近くにLPFを挿入する。 ・・・20MHz以上のノーマルモードノイズ対策
※ 伝導ノイズの対策と共用可能

放射エミッションの対策のイメージ画像

対策効果① 伝導ノイズ

対策効果1 伝導ノイズのイメージ画像

対策効果② 放射ノイズ(150kHz-30MHz)

対策効果2 放射ノイズのイメージ画像

対策効果③ 放射ノイズ(30Mz-300MHz)

対策効果3 放射ノイズのイメージ画像

対策内容と効果のまとめ

降圧型DCDCコンバーターのノイズ対策として、以下の手法が有効です。

伝導ノイズの対策

→ (1) 電源コネクタ近くにLPFを挿入する。 ・・・全周波数のノイズ対策
【例】 LQH5BPZ4R7NT0+GCM188R71E105KA49

→ (2) 電源コネクタ近くにCMCCを挿入する。 ・・・10MHz~のノイズ対策
【例】 PLT5BPH5013R1SN

放射ノイズの対策

→ (3) 回路基板にシールドを取り付ける。 ・・・~20MHzのノイズ対策

→ (4) 電源コネクタ直近にCMCCを挿入する。 ・・・20MHz~のノイズ対策

→ (5) 電源コネクタ近くにLPFを挿入する。 ・・・20MHz~のノイズ対策
※ (4)(5) の対策は、(1)(2)の対策と共用可能

放射ノイズの対策のイメージ画像

以上の対策により、DC-DCコンバータのノイズ対策が完了しました。

今回使用した対策部品

分類 シリーズ名  
チップインダクタ LQH5BPZシリーズ
コモンモードチョークコイル PLT5BPHシリーズ  ※1
積層セラミックコンデンサ GCM18シリーズ

※1:より効果のあるノイズ対策が必要な場合はPLT10HHシリーズなど、他のコモンモードチョークコイルも検討ください。自動車の電源ライン用コモンモードチョークコイルについては以下のセレクションチャートを参照ください。

 

自動車グレード電源ライン用コモンモードチョークコイル セレクションチャート

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