ノイズ対策技術 / 事例紹介(民生)

ToFのノイズ対策-3

6. フェライトビーズ挿入の効果確認

フェライトビーズ挿入有無でノイズ対策効果に変化があるか確認しました。
ノイズ除去効果だけでなく、電圧、電流波形に影響がないかも確認しています。
以下の図の発信側の電源ライン①では電源側に流出するノイズの低減効果を確認するためにリップルノイズの変化を、VCSELの電源入力部②では電圧波形に悪影響がないかを確認するためにトランジェント応答の変化を確認しました。
VCSELに流れる電流波形の変化も確認しています。

ノイズ対策効果の確認方法の図
ノイズ対策効果の確認方法

Voltage① → Ripple Noiseで確認
Voltage② → Transient responseで確認
Current → Current wave formで確認

7. フェライトビーズ挿入の効果確認-リップルノイズ

以下の図のようにフェライトビーズBLE18PK100SN1を電源ラインに挿入することで、①の部分のリップルが1/5程度に低減していることがわかります。
フェライトビーズを挿入することでリップルノイズが大幅に減少することが確認できました。

フェライトビーズによるリップルノイズの低減効果の図
フェライトビーズによるリップルノイズの低減効果

8. フェライトビーズ挿入の効果確認-トランジェント応答

一方でフェライトビーズを挿入したことによりVCSELに供給される電圧に悪影響があってはいけません。
フェライトビーズを挿入する前後のトランジェント応答を確認すると、フェライトビーズの挿入による波高の低下は確認されませんでした。
フェライトビーズを挿入しても回路の動作には悪影響がみられません。

フェライトビーズ挿入によるトランジェント応答への影響の図
フェライトビーズ挿入によるトランジェント応答への影響

9. フェライトビーズ挿入の効果確認-VCSELの電流波形

次にVCSELに流れる電流の波形を確認しました。
フェライトビーズを挿入する前後で電流波形の違いはほとんど見られません。
結果、フェライトビーズを挿入しても波高の低下といった悪影響は確認されませんでした。

フェライトビーズ挿入によるVCSELの電流波形への影響の図
フェライトビーズ挿入によるVCSELの電流波形への影響

10. まとめ

  • ToFの送信部には急峻で大きなパルス電流が流れ、このパルス電流は電源ラインに大きなリップルノイズを発生させる傾向があります。
  • フェライトビーズを挿入することで、電圧や電流波形、過渡応答に悪影響を与えずにノイズを低減することができます。
  • 大電流対応・小型の観点から以下のフェライトビーズによるノイズ対策をおすすめします。
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