コモンモードノイズフィルタNFG0QHB242HS2

ノイズ対策技術 / 事例紹介(民生)
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近年、スマートフォンをはじめとするデジタル機器は、機器内外で高解像度・大容量のデータ伝送が必要になっており、様々な差動インターフェイスが採用されています。
一方で、インターネットとのデータ伝送のために無線通信モジュールが搭載されるようになりました。その中でもWi-Fiはポピュラーな無線通信として普及しています。
差動インターフェイスの高速化と無線通信の普及により、イントラシステムEMCが顕著となっています。
イントラシステムEMC:USB3.2 によるノイズが機器内のWi-Fi アンテナに干渉し、Wi-Fi通信品質を劣化させる現象。
公規格に対するEMC:機器本体やUSB3.2ケーブルから放射したノイズが、公規格の限度値を超過する現象。
差動インターフェイスにコモンモードチョークコイル(CMCC)を挿入します。CMCCはノイズ源の近傍に搭載するのが効果的です。
Tx信号のノイズ源=USB IC側
Rx信号のノイズ源=USB コネクタ側
コモンモードノイズを効果的に除去することができ、信号波形に悪影響を与えません。また、一部ICメーカーの推奨を得ています。
USB Type-Cコネクタ付きの評価基板を用いてUSB3.2伝送時のアンテナ結合ノイズを評価しました。
信号源は、USB3.2対応のノートPCで、シンク機器にSSDを用いています。また、評価基板から5cm離した位置にオムニアンテナを設置しました。
USB3.2を伝送した時、評価基板配線から放射するノイズが、どの程度アンテナに結合するのか調査しました。
また、CMCCでの対策効果の比較を行いました。
緑vs赤(基準)
CMCCをノイズ源遠方に配置すると、ノイズが約2dB改善しました。
青vs赤(基準)
CMCCをノイズ源近傍に配置すると、ノイズが約5dB改善しました。
結果、CMCCの搭載位置によって、3dBの差が生じました。