ノイズ対策技術 / 事例紹介(民生)

ToFのノイズ対策-1

1. ToFとは

ToFとはTime of Flightの略で、照射波と反射波の時間差を利用して物体との距離を測定する測距方法です。
ToFを使った距離画像センサーでは、赤外光などの光を照射して画素ごとに距離を測定し、奥行き情報を記録することにより、対象の立体的な構造を知ることができます。

ToFとはの図

ToFの利用

スマートフォンなどの顔認証において、写真をかざすことによる認証回避を防ぐために立体的な顔の形状を測定する必要があります。
このためスマートフォンにはToFという測距方式が採用されることが増えてきています。
ToFの他にもステレオカメラを使用する方式や、パターン化された赤外線を照射してその歪を観測するStructured Light方式といった測距法がありますが、ToFは構造がシンプルで広い距離範囲に対応し、解像度が高いという特徴があり、スマートフォンにより適していると言われています。

各測距方式の適用範囲の図
各測距方式の適用範囲

ToFは遠い距離まで高精度な測距を行うために、以下の図のように急峻で高いパルスを照射する必要があります。

ToFのパルス波形と精度の関係の図
ToFのパルス波形と精度の関係

2. ToFの送信受信ブロック図

ToFの送受信ブロック図は以下のようになっています。
発信側では、VCSEL(垂直共振器面発光レーザー)に急峻で大きなパルス電流を印加することにより、赤外線のパルス光が発生し、このパルス光が測定対象に照射されます。
受信側では測定対象から返ってきた光を受光し、電気信号に変換されます。

ToFの送信受信ブロック図の図
ToFの送信受信ブロック図

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