ノイズ対策技術 / 事例紹介(民生)

USB Power Delivery給電機器のノイズ対策-2

5. コモンモードチョークコイルを用いたノイズ対策手法

電源ライン、GNDラインのノイズレベルが高いことでケーブルからのノイズ放射が起きているため、DC-DCコンバータの出力部のUSBコネクタ手前にコモンモードチョークコイルを挿入することが効果があると考えられます。

コモンモードチョークコイルを挿入の図
コモンモードチョークコイルを挿入

推奨フィルタ

6. ノイズ対策効果の確認

コモンモードチョークコイルによる放射ノイズ対策の効果を評価基板で確認しました。
DLW5BTM142TQ2を電源ラインとGNDラインに挿入しました。
(加工上の都合により、本評価ではケーブルの電源ラインとGNDラインを切断して挿入しています)

コモンモードチョークコイル挿入箇所の図
コモンモードチョークコイル挿入箇所

7. ノイズ対策効果

コモンモードチョークコイルDLW5BTM142TQ2の挿入により、放射ノイズレベルが高かった100~300MHzにおいて最大10dBのノイズ低減を確認できました。

コモンモードチョークコイルの挿入前後のノイズ比較の図
コモンモードチョークコイルの挿入前後のノイズ比較

8. まとめ

  • USB Power Delivery給電機器は放射ノイズを発生させ、機器の動作や通信を妨害する懸念があります。
  • ノイズ源は給電機器内のDC-DCコンバータで、ノイズは給電機器の電源ラインとGNDラインを伝導し、USBケーブルから放射します。
  • このようなノイズに対してはコモンモードチョークコイルの挿入が効果的です。

今回紹介したコモンモードチョークコイル

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