インダクタ (コイル)

インダクタガイド
前回のインダクタの信頼性に続いて、今回はインダクタと磁界の影響についての紹介です。
インダクタの中には方向性を識別するための印(マーク)が付いているものがあります。
弊社の商品の場合、フィルムタイプのLQP_Tシリーズ /積層タイプ LQGシリーズ/一部の巻線タイプLQHに付いています。インダクタの構造が完全な対称性を持っていないと、実装の方向で特性に差が出てしまいます。そのため、マークをつけて方向性があることをご理解頂いた上でお使いいただくことにより、所望の特性を発揮することが期待されます。
図1に実装方向の違いによるインダクタンス値の変化率の例を示します。
インダクタは、磁界にエネルギーを蓄えることでその機能を発揮します。ただし、インダクタは自身が発生させる磁気エネルギー以外に外部からの磁束にも影響を受けてしまいます。保証している部品のインダクタンス値というのは、外部からの磁束がない状態での値になります。そのため、周辺からの磁束に曝されている中にインダクタを実装した場合、所望の機能を発揮できない場合があります。その代表的な例として、インダクタ同士を非常に近傍に実装した場合があります。
図2にインダクタ同士を並行に非常に近傍に実装した場合のインダクタンス値の変化を示します。
インダクタは磁束を発生させます。その磁束は外部に放射され(この放射が出ないように対策された商品群もあります)、その分がエネルギーのロスとなります。インダクタ同士を非常に近傍に実装するとこの外部に放射された磁束が互いに干渉しあい、所望の特性が得られなくなります。
このように、インダクタは外部から放射された磁束に特性が左右され、また近傍の部品に影響を与える可能性があります。この影響を考慮して使用する部品の選定やレイアウトを最適なものにしてご使用ください。
コンポーネント事業本部 S.T
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