インダクタガイド

インダクタの基礎 【第4回】 インダクタの構造

本コラムはインダクタの基礎を解説する技術コラムです。
第4回は、インダクタの構造について解説いたします。

【第4回】インダクタの役割 ‐インダクタの構造‐

第2、3回では、高周波インダクタと電源系インダクタについて紹介してきました。今回は、インダクタの構造による特性の違いや使用用途を紹介していきます。
ムラタのインダクタの構造は主に、巻き線タイプ、積層タイプ、フィルムタイプがあげられます。本章では、ムラタの高周波インダクタの構造による特性の違いとそれぞれ構造別における使われ方について述べます。

はじめに、当社の高周波コイル・1005サイズの構造別(巻き線、積層)のQの周波数特性をグラフに示します。図1を見てもわかるように、巻き線タイプは積層タイプと比較してQ値が非常に高いことが特長です。またフィルムタイプでは、小型の0603サイズ、0402サイズをラインアップしており、同業他社で採用されている積層工法よりもQ値が高いことが特長です。(図2)

図1:積層LQG15シリーズと巻線LQW15シリーズのQ特性比較 (ともに2.7nH)
図2:0603サイズ、LQP03TNシリーズと同業積層品のQ特性比較 (ともに10nH)

次に高周波コイルの構造別における使用用途です。高周波コイルの使用用途は、主に携帯電話や無線LANなどの高周波回路になります。その代表的な使用用途をご紹介します。

巻き線タイプLQWシリーズは、Q値が高いことが特徴です。Q値が高ければ、フィルタの通過帯域内の減衰特性が良好になるためRF部のマッチング回路に使われます。また、アンテナの送受信感度を保つためにアンテナのマッチング用途にも多く使われます。加えて、低Rdc特性を持つことから、大きな電流が流れるチョーク回路にも使われます。

フィルムタイプLQPシリーズは、フォトリソ工法で電極を形成することにより、コイルパターンの微細加工が可能なため、小型化が可能で高Q特性をもつことと同時に、L値の狭偏差やステップの細かいL値のラインアップをもつことが特徴です。現在主流になりつつある0603サイズや業界最小0402サイズを幅広くラインアップしており、小型化トレンドに対応しています。使用用途としては、小型化と狭偏差、狭ステップが要求されるRF部のマッチング、共振回路に使われます。また、小型でかつ低Rdcが要求されるチョーク回路にも使われます。

積層タイプは、3つの構造でQ値は低くなりますが、L値のラインアップやサイズ、価格の面からバランスがよく、RF部のマッチング、共振回路やチョーク回路全般に使われています。

 

以上のように3つの構造にはそれぞれ特長があり、その特長にあった使われ方をしています。 次回は、インダクタの実装についてご紹介していきたいと思います。

 

担当:村田製作所 コンポーネント事業本部 商品開発部 S.S

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