5G Enhanced Mobile Broadband (eMBB)

5G技術

5G eMBB(enhanced Mobile Broadband:高速大容量)

到来した5Gサービスの第1波。そのサービスの1つであるeMBBは、従来の4Gネットワークの拡張ともいえ、消費者に大きなメリットをもたらします。そのメリットとして、ダウンロード速度の大幅な改善、およびコスト効率に優れたデータ(4Gに比べ最大10倍ものコスト抑制が可能)が挙げられます。ここでは、業界のメリットと課題を探っていきます。

2019年には、標準ベース5G商用ローンチの第1波が到来しました。GSA(Global mobile Suppliers Association:グローバルモバイルサプライヤー協会)によると、2020年5月時点で事業者80社が42か国に対して3GPP(3rd Generation Partnership Project:第3世代パートナーシッププロジェクト)準拠の5G商用サービスを開始したそうです。その半分は、高品質の固定ブロードバンド接続を利用できない分野をターゲットに、5G固定無線アクセスサービスを開始しました。

5Gの登場によって、お客様のエクスペリエンスが根底から一変する可能性がある一方、ネットワーク事業者、デバイスメーカー、通信インフラには新たな課題が突き付けられます。

デバイス

  • 電子デバイスは新たな制約の下に置かれることになり、より高いデータ転送速度および電力に関する要件を確実に満たすには、再設計やレトロフィットが必要になります。
  • 電子デバイスの小型化かつ薄型化に対する消費者の期待を満たすため、電子デバイスの複雑化はさらに増していきます。そのため、コンポーネント技術の信頼性と小型化、およびモジュール化が必須になります。
  • データ転送速度の向上により、デバイスの温度が上昇します。それに伴い、性能や安全性が懸念されるため、より効率的な配電および長いバッテリー寿命が求められます。
  • eMBBは、過密エリアにおいて大容量通信を提供し、およびその通信範囲を拡大し移動中の人にも通信を提供する必要があります。FWA(Fixed Wireless Access:固定無線アクセス)ではモバイルネットワークや統合モバイル技術を使用して、インターネット通信をホームゲートウェイを備える家へ届けたあと、必要に応じて帯域幅を分配します。5G FWAを使用すると、帯域幅が非常に高くなります。場合によっては、最大1Gbpsの帯域幅を実現できます。
Key challenges for massive IoT

インフラ

  • 短期的には、既存の通信インフラを、追加スペクトルを備えた新型5Gアンテナにアップグレードできます。新しい塔には、携帯電話の通信範囲を都市全体に均等に確実に広げることが求められます。この実現には、ビームフォーミングなどの新技術を進歩させ最も効率的なデータ配信ルートを確保しなくてはいけません。

eMBBによってユーザーエクスペリエンスは生まれ変わり、ゲーム業界にはAR/VRクラウドゲームによる革命が起こり、さらに4K動画配信が当たり前になっていくことでしょう。しかしながら、5Gがもたらすと思われる商業的メリットの全貌はまだ明らかになっていません。

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