5G技術
5Gが抱える課題：低遅延
URLLC（Ultra-Reliable and Low Latency Communications：超高信頼低遅延）は、ヘルスケアにおける遠隔手術、車車間通信、スマートグリッド、産業プライベートネットワークなどのミッションクリティカルな用途において、低遅延と超高信頼を提供します。3GPPリリース15 5G NRでは、ほぼ完全なる信頼性を実現するには遅延時間を1ミリ秒にするという目標が掲げられています。
5Gによって、我々が過去に直面していた遅延の問題が解決されます。ただし、これから直面すると思われる最大の課題は物理インフラ内にあります。ネットワークのバックエンドでは、多少の遅延が発生すると考えられます。それは、バックエンドから信号をクラウドへ送信するため、わずかな遅延が発生するからです。この問題を解決するため、エッジベースのコンピューティングをさらに多く行う必要が出てきます。ベースステーションでAI、エッジデバイス、アクセラレーターを使用して処理負荷を扱い、クラウドとの通信で発生する遅れを低減していきます。
エッジデバイスでは低電力技術を使用します。この技術により、効率が高い電力供給およびバッテリーが、有線接続が不要な小型エッジコンピューティングデバイスに搭載されます。ミッションクリティカルな用途ではネットワークに依存するところが大きいため、停電時にデータネットワークを確実にかつ円滑に稼働させるためには、バッテリーのバックアップが必要になります。
低遅延の5Gネットワークを実現するにはAIが欠かせません。エッジネットワークが成長するにつれ、トラフィックルーティングだけでなく、場所も最適化する必要があります。また、各パケットが最短経路でエッジクラウドに到達できるように、AIを使用してネットワークを継続して最適化していくことが必要になります。
