BNXシリーズによる雑音端子電圧のノイズ対策のメイン画像

BNXシリーズによる雑音端子電圧のノイズ対策

医療・ヘルスケア機器などで適用されるノイズ規格(CISPR11*)において、必須事項のひとつに、伝導ノイズ(雑音端子電圧)があります。
この伝導ノイズは、150kHz~30MHzの周波数帯で規格を満足することが求められます。

この記事では、ブロックタイプEMIフィルタBNXシリーズを用いて伝導ノイズ対策を行った事例を紹介します。

* CISPR11は、医療・ヘルスケア機器などに適用されるノイズ規格です。

CISPR11 Ex.のイメージ画像

DC-DCコンバータを用いた検証

検証用として、DC-DCコンバータをEUTとしてCISPR11伝導ノイズの評価を行う測定環境を用意しました。

(注意)
CISPR11で規定されている測定系、測定手法を使って、DC電源線に漏洩する伝導ノイズを評価しています。

Measurement System、EUTのイメージ画像

伝導ノイズの測定結果

スイッチング周波数500kHzの整数倍となる周波数でノイズスペクトラムが観測されています。また、CISPR11 Class A group 1(工業環境)のノイズ許容値を上回るノイズが観測されました。

DCーDCコンバータのスイッチングに起因したノイズ(スイッチングノイズ)がDCラインに伝導していることが考えられます。

(参考)
Class A:工業環境、Class B:住宅環境 のノイズ許容値

ノイズ測定結果
ノイズ測定結果のグラフ

ノイズフィルタによる対策

この伝導ノイズを抑制するために、ブロックタイプエミフィル BNX029-01を入力側に使用しました。
BNX029-01は、LC π型フィルタをひとつの部品として構成したフィルタです。
このフィルタは、15kHz~1GHzと広い周波数帯域でのノイズ対策が可能です。20Aの大電流に対応しており、DC電源ラインでのノイズ対策に最適です。

BNX029-01のイメージ画像
品番 サイズ 定格電流 挿入損失
BNX029-01 12.1×9.1mm 20A 挿入損失のグラフ

対策結果

BNX029-01を入力側に挿入することで、全周波数帯において、CISPR11のノイズ許容値を満足できるようになりました。

対策結果のグラフ

まとめ

DCDCコンバータのスイッチングに起因したノイズがDCラインに伝導することがあります。広い周波数帯域のBNXシリーズを使用することで、伝導ノイズを抑制することができます。
また、BNXシリーズはLCパイ型フィルタをひとつの製品で構成したフィルタであり、対策時間の短縮、省スペース化に貢献できます。

BNX029-01のイメージ画像

BNXシリーズのSMDタイプには以下のようなバリエーションが用意されています。
使用環境やノイズ状況に合わせて選択できます。

品番 外観 定格電圧
(Vdc)
定格電流
(Idc)
挿入損失
BNX022-01 BNX02*Hのイメージ画像 50 20 20dB以上
150kHz~30MHz
BNX023-01 100
BNX028-01 16
BNX029-01 6.3

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