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安全で快適な車社会の実現に向けて 村田製作所が「人とくるまのテクノロジー展」でソリューション提案

村田製作所(以下、ムラタ)は2024年5月22日、国内最大規模の自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展」(横浜市)に出展しました。自動車においては、自動運転や運転支援などの目的で、電装化・電子制御システムの導入が進んでいます。また心地よい移動を実現するために、車内空間の快適性向上の要望も高まりつつあります。一方で、自動車に搭載する電子部品点数の増加は、ノイズの発生などを引き起こし安全面の問題につながりかねません。ムラタはこうした問題に対応するためのソリューションを披露しました。

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人とくるまのテクノロジー展は5月24日まで開催

省エネと快適性の両立 CO2吸着フィルタ

「見てください。どんどんCO2の濃度が下がっていきます」。ムラタのスタッフの実演に、多くの来場者が集まりました。

今回の人とくるまのテクノロジー展で披露したのが、車内に人がいるかぎり避けられない、CO2(二酸化炭素)の問題解決を図る「CO2吸着フィルタ」です。「金属有機構造体(MOF)」と呼ばれるナノレベルの穴がたくさんあいた材料を使い、車内のCO2を吸着・除去します。実演では、CO2を入れた容器の空気を当製品に通すことで、CO2濃度が下がっていく様子が示されました。

車内環境をイメージし、CO2の濃度を下げる様子を再現したのイメージ画像
車内環境をイメージし、CO2の濃度を下げる様子を再現した
CO2濃度(オレンジの線)が徐々に下降していくのイメージ画像
CO2濃度(オレンジの線)が徐々に下降していく
ナノレベルの細かな穴があいたMOFを使うことで、効率的にCO2を吸着するのイメージ画像
ナノレベルの細かな穴があいたMOFを使うことで、効率的にCO2を吸着する

開発のきっかけとなったのは、電気自動車(EV)の普及が進むなかでの省エネ需要の拡大です。
CO2濃度の上昇は息苦しさや倦怠感、眠気などの問題を引き起こすことで知られています。車載エアコンを使い外気を取り込むことで改善できるものの、エアコンは消費電力が大きく、バッテリーの劣化や航続距離の低下を招くというデメリットがありました。
当製品はたくさんの小さな穴があるMOFに、CO2を吸着する材料を配合することで、効率的にたくさんのCO2を吸着できるようにしました。外気を取り込むためにエアコンを作動させる回数が減らせ、省エネが図れます。

加えて、自動運転技術の進展は、車内空間に変革をもたらしつつあります。車内は運転をする場ではなく、休憩をしたり仕事に取り組んだりといったスペースになることが想定されています。快適性へのニーズも高まりつつあり、ムラタの担当者は「外気を取り込む頻度を減らせれば、省エネにつながるほか外気の匂いや花粉、エアコンの騒音などの問題も解決できます。リラックスしたり集中力を高めたりといった空間として車を使う、これからの需要を取り込んでいきたいです」と話しました。

ノイズ低減で安全性向上と省スペース化に貢献 Lキャンセルトランス

衝突被害を軽減する自動ブレーキに歩行者検知、駐車支援システムに車線の逸脱検知……。先進運転支援システム(ADAS)の進展は、車に搭載する電子部品の増加につながっています。一方で、搭載する電子部品が増えれば増えるほど、安全性の観点から、ノイズ対策の重要性も増しているのが現状です。ムラタは「人とくるまのテクノロジー展」でこうした課題解決につながるソリューションも多く展示します。

省スペース化に貢献するのイメージ画像
省スペース化に貢献する

その一つが「Lキャンセルトランス」です。「負のインダクタンス」という特性をノイズ除去のために利用した世界初の電子部品です。コンデンサのノイズ除去性能を高めることができ、部品点数の削減で基板の省スペース化に貢献します。

コンデンサのノイズ除去性能を高めることができる新製品に、多くの関心が集まったのイメージ画像
コンデンサのノイズ除去性能を高めることができる新製品に、多くの関心が集まった

これまでノイズの抑制は、コンデンサを複数個並べることで対応していました。Lキャンセルトランスを使えば、より少ないコンデンサの数でノイズ除去を実現できます。
例えばドライブレコーダーを使った実験では、コンデンサの数を10個減らしても、Lキャンセルトランスを1個置けば、従来以上のノイズ除去性能が確認できました。
電源回路用のノイズ対策部品としての需要を想定しています。車の電子制御化・電装化が進むなかで、車の誤動作の原因となるノイズを抑制するとともに、基板の省スペース化で車内空間の拡大にも貢献する、一石二鳥の製品です。

物流の「2024年問題」解消にも貢献 RFIDでタイヤの管理効率化

物流の「2024年問題」に備えた展示もありました。無線通信で情報をやり取りできるRFID(Radio Frequency Identification)モジュールを内蔵したタイヤです。2024年4月からトラック運転手の時間外労働の規制が強化され、輸送能力の不足が懸念されています。より効率的な働き方が求められるなかで、運送業者がタイヤの点検・管理にかけている手間を減らせる製品です。

専用の端末を使うことで、タイヤに関する情報を取得するのイメージ画像
専用の端末を使うことで、タイヤに関する情報を取得する

タイヤ向けに展開するRFIDモジュールは世界最大の自動車タイヤメーカーであるミシュラン(フランス)と共同で開発しました。走行時の振動や衝撃にも耐えられるよう独自の構造を採用し、タイヤの側面に埋め込みます。専用の端末で、タイヤを装着・修理した日時など、タイヤのライフサイクルに関する情報を瞬時に読み取る、といった利用方法を想定しています。
人とくるまのテクノロジー展ではRFIDモジュールを内蔵した実際のタイヤを展示し、専用の端末でタイヤの情報を読み取るデモを披露しました。

独自の構造で高い耐久性を確保したのイメージ画像
独自の構造で高い耐久性を確保した
RFIDモジュールはタイヤ側面に埋め込むのイメージ画像
RFIDモジュールはタイヤ側面に埋め込む(イメージ図)

タイヤ管理の手間を減らすのに役立ちます。運送業者では、トラックが出発する前にタイヤの点検を行っていますが、点検を記録するのに紙を使うケースが多くあります。その場合、記入した紙を管理事務所に持っていくのが手間だったり、きちんとした保管がされていなかったりといった問題がありました。
ムラタのRFIDモジュール内蔵タイヤを使えば、こうした点検の情報が簡単に記録・蓄積でき、点検や管理にかかる時間の削減につながります。日々の業務の効率化によって、ドライバーがより運転に集中できる環境を作り、「2024年問題」の解消を図りたい考えです。ムラタのスタッフは「タイヤのメンテナンス履歴などの分析に生かせます。運送業界の方にもオススメです」と呼びかけていました。

またムラタの担当者は「人とくるまのテクノロジー展では、これまでムラタとあまり接点のなかった運送業者の方たちにも製品を見てもらい、より現場の声を吸い上げていきたい」とも話しました。

「ぜひ実物を見に来て」 ムラタのソリューション、この機会に体験を

人とくるまのテクノロジー展は、横浜市のパシフィコ横浜で5月24日まで開催します。ムラタのブースはN16(ノースホール)で、来場には公式サイトを通じた事前登録が必要です。人とくるまのテクノロジー展 2024に関するムラタの展示会サイトはこちらです。
ムラタの担当者は「ぜひ実物を見に来てもらいたい。製品の実演も行っているので、より具体的な製品の良さや使い勝手を体験してほしい」と呼びかけています。

人とくるまのテクノロジー展 2024 特設ページ

※記事の内容は、記事公開日時点の情報です。製品・ソリューションの仕様や外観は予告なく変更する場合があります。

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