圧電フィルムセンサ(Picoleaf™)
村田製作所(以下、ムラタ)は2024年10月15日、国内最大規模のデジタルイノベーションの総合展「CEATEC 2024」(千葉市・幕張メッセ)に出展しました。AI(人工知能)やIoT、ビッグデータなどを活用した超スマート社会「Society 5.0」がテーマとなるなかで、ムラタはウェルネスの領域でも豊かな未来の創造に貢献していきます。ムラタの製品・ソリューションが私たちの世の中をどのように変えていくのか。CEATECの展示から見えてきた「未来予想図」をご紹介します。
※記事中に登場する製品については、医療機器ではありません。また疾病の診断、治療、予防を目的するものではありません。
まずご紹介するのが、月経周期の把握を通じて、女性の体調管理を助けるデバイスです。
当製品は、体温を測定するものではありませんが、クリップ型の連続温度測定器として、寝る際にショーツに取り付けます。就寝中に腹部の衣服内温度を測定することで、低温期・高温期の変化を検知します。
こうした低温期・高温期を知ることは、利用者自身の月経周期の把握に役立ちます。「現在は月経のタイミングが来ている」と分かることで対策が立てやすくなります。
一方で、「従来の起床時の口中計測による測定方法は、『起き上がる前に測定する必要があり、忙しい朝の時間帯に毎日測定し続けるのが難しい』『測定方法にコツがいる』という方もいる」(ムラタ担当者)のが現状です。そのため、同担当者は「当製品では日々の使いやすさを意識した」と話します。
まずは妊娠を希望される方、プレ更年期・更年期の方向けのサービスとして展開してきたい考えで、2026年度中のサービス開始を目指しています。
ムラタの担当者は「女性の社会進出が進んでいるが、仕事が忙しくて適切な健康管理ができないことが原因で、自身のキャリアをあきらめてしまう方もいる。自身の身体のことを見直すきっかけになるアイテムとして、女性の一生に寄り添う製品に育てていきたい」と話しています。
ムラタが手掛ける圧電フィルムセンサ「Picoleaf™(ピコリーフ)」をウェルネス領域に応用したアイテムも出展されました。Picoleaf™は力を加えたときに電圧を生じる「圧電特性」を利用し、「曲げ」「ねじり」「押し圧」「振動」の検知ができるセンサです。CEATECで披露したのは、このPicoleaf™が持つ「押し圧」検知の特性をスマートウォッチのタッチパネル向けに応用した使い道です。
これまでのスマートウォッチが、水中や水がよく付着する環境で操作しづらいという課題の解決を図ります。タッチパネルでは「静電容量方式」が一般的に利用されていますが、これはタッチパネルと人の指との間で生じる、微弱な静電容量の変化を捉えて、押された位置を検知するというものです。
日常的な使い方で問題となることはありませんが、課題となっていたのが水中や水がよく付着する環境での使用でした。水の中では、「水が電気を通すため、画面に触れているのが人の指なのか水なのかの判別ができず、うまくタッチパネルが作動してくれなかった」(ムラタ担当者)のです。
Picoleaf™は高い透明性を誇り、「曲げ」「ねじり」「押し圧」「振動」が検知できる
そこでムラタが提案するのが、力を加えられると電圧を生じる「圧電特性」を持つPicoleaf™の利用です。水中であっても、押されたエリアが判別できるため、スマートウォッチやスマートフォンのタッチパネルなどへの応用が可能です。
実際にCEATECの実演では、Picoleaf™を使ったスマートウォッチを水中に沈めた状態で、画面をタッチする様子を披露しました。ムラタのスタッフは「水中でのウェアラブル端末の操作が可能となる」と呼びかけていました。
スキューバダイビングや水泳など、水中ではタッチ操作できなかったシーンでも楽にスマートウォッチの操作ができるようになるため、日々の運動のモチベーションアップにつながります。
ほかにも、CEATECでは、「押し圧」検知の機能を利用した金属筐体でのシームレスボタンとしての使い方も提案しています。「金属も電気を通してしまうため、金属筐体のシームレスボタンを実現することができなかった」(ムラタ担当者)という課題解決を狙います。
また微小変動も検知できる特性を活かし、脈拍を捉えることもできます。ムラタの担当者は「工場で使用する機器の操作レバーなどに貼って、作業者の脈拍を取ることができれば、重篤な不整脈が発生した際に、脈拍の変化から強制的に機器の動作を停止するといった措置が取れるかもしれない」と話します。
CEATEC 2024では、ムラタセイサク君が7年ぶりにパフォーマンスを披露し、ムラタブースの来場者は興味深そうに見つめていました。
不倒停止や角度のある平均台走行を披露すると驚きの声が上がっていました。
CEATEC 2024は、千葉市の幕張メッセで10月18日まで開催します。ムラタのブースは6H104で、来場には公式サイトを通じた事前登録が必要です。CEATEC 2024に関するムラタの展示会サイトはこちらです。
ムラタの担当者は「ムラタのポテンシャルを感じられるコンテンツが勢ぞろいしています。実際に触れていただけるアイテムも多くあるので、ぜひ会場に来てください。ともに新しい未来を創り上げてきましょう」と呼びかけています。
※記事の内容は、記事公開日時点の情報です。製品・ソリューションの仕様や外観は予告なく変更する場合があります。