コンデンサガイド

静電容量の温度特性

こんにちは、みなさん。本コラムはコンデンサの基礎を解説する技術コラムです。
今回は、「静電容量の温度特性」についてご説明いたします。

温度特性

1. 各種コンデンサの温度特性

一般にコンデンサの静電容量は、使用温度によって変化します。この変化幅が小さければ温度特性は良好、大きければ温度特性に劣ると言えます。使用温度が高くなる自動車のエンジンルーム内や南極などの寒冷地などで使用する電子機器にコンデンサを使用する場合には、使用環境条件を想定した設計が必要です。
代表的な温度特性の各種コンデンサの静電容量変化率-温度特性を図1に示します。
温度特性が良好なコンデンサとして、導電性高分子アルミ電解コンデンサ(高分子Al)、フィルムコンデンサ(Film)、温度補償用積層セラミックコンデンサ(MLCC<C0G>)があります。導電性高分子タンタル電解コンデンサ(高分子Ta)、高誘電率系積層セラミックコンデンサ(MLCC<X5R,Y5V>)は高温域において容量変化が大きくなります。

図1 各種コンデンサの静電容量変化率-温度特性(例)

2. 積層セラミックコンデンサの温度特性

積層セラミックコンデンサは大きく二つの種類があり、その種類によって温度特性が異なります。
(1)一つは、公規格で種類Ⅰ(Class1) に分類される温度補償用積層セラミックコンデンサで、酸化チタンやジルコン酸カルシウム系の誘電体材料を使っており、その静電容量は、温度に対してほぼ直線的な変化を示します。その温度に対する傾きを温度係数と呼び、値は1℃あたりの百万分の1の単位[ppm/℃]で表します。温度係数は基準温度(IEC,JIS規格では20℃,EIA規格では25℃となっていますが、ここでは25℃を基準とします)における静電容量値C25と、カテゴリ上限温度(最高使用温度:設計上、コンデンサを連続的に使用できる最高周囲温度)における静電容量値CTから式1で定義します。

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EIA規格では、0ppm/℃~-750ppm/℃までの範囲で数種類の静電容量温度係数が規定されています。代表的な材料についてその温度特性を以下に示します(図2参照)。また適用されているJISおよびEIA規格の抜粋を表1に示します。

図2 温度補償用セラミックコンデンサの静電容量変化率-温度特性(例)
表1 温度補償用積層セラミックコンデンサの温度係数値と許容差、およびその記号
 
 

温度補償用積層セラミックコンデンサには、-55~+125℃の温度範囲における静電容量変化の温度係数が最大±30ppm/℃(25℃基準)と小さい、つまり温度変化幅が小さいC0G特性品があります。もっとも、温度補償用積層セラミックコンデンサは、誘電体材料の比誘電率が小さいために、大容量品は実現できないというデメリットがあります。

(2)もう一つは、公規格でClass2(種類2)に分類される高誘電率系積層セラミックコンデンサで、チタン酸バリウム系の誘電体材料 を使っており、その静電容量値は、温度に対して不規則な変化を示します。そのため静電容量-温度特性の規格値は、基準温度(ここでは25℃を基準としま す)の静電容量値C25に対して、適用される温度範囲での静電容量変化率の最大値および最小値で規定します。(式2参照)。

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適用されるJISおよびEIA規格値の抜粋を表2に示します。カテゴリ温度範囲内での静電容量値の変化率が±15%以内に制限されるもの(X5R特性品)から、+22~-82%を許容するもの(Y5V特性品)まで数種類の規格があります。近年では静電容量変化率が±15%レベルのX5R特性品の使用比率が高くなってきており、回路設計者が注意して選定していることが伺えます。

表2 高誘電率系積層セラミックコンデンサの温度特性規格とその記号
 
 

次回は、「静電容量の電圧特性」についてご説明いたします。
ではまた。

担当:株式会社村田製作所 コンポーネント事業本部 Zakipedia

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