SDGs×Murata

企業におけるSDGsの重要性(前編)

1. SDGsとは何か?

近年、新聞やニュースなどで目にする機会が増えたSDGs。SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で、「持続可能な開発目標」を意味します。持続可能でより良い世界を目指す国際目標として、2015年の国連サミットで採択されました。国連加盟国193ヵ国が参加し、17のゴール・169のターゲットから構成されています。まずは、2030年までに達成すべき17のゴールを見てみましょう。

  • 貧困をなくそう
  • 飢餓をゼロに
  • すべての人に健康と福祉を
  • 質の高い教育をみんなに
  • ジェンダー平等を実現しよう
  • 安全な水とトイレを世界中に
  • エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 働きがいも経済成長も
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 人や国の不平等をなくそう
  • 住み続けられるまちづくりを
  • つくる責任 つかう責任
  • 気候変動に具体的な対策を
  • 海の豊かさを守ろう
  • 陸の豊かさも守ろう
  • 平和と公正をすべての人に
  • パートナーシップで目標を達成しよう

17のゴールの背景には、資源の枯渇や環境汚染、貧困といった、世界が直面するさまざまな問題があります。例えば、国際的なCO2排出量抑制の流れを受け、日本政府は「グリーン社会の実現」の目標と共に再生可能エネルギーの導入を進めています。SDGsは社会課題を解決し、持続可能な世界を実現するためのグローバルな行動指針であり、社会や経済の未来を読み解くための重要な道標だと言えるでしょう。

2. 企業にとってSDGsはなぜ重要か?

SDGsは日本政府が推進していることはもちろん、企業や行政、地域住民をはじめとするステークホルダーも積極的に取り組んでいます。中でも、企業は経営上の利益を追い求めるだけでなく、環境問題への配慮や地域社会への貢献、労働環境などの課題解決が経営上の指針として不可欠になっています。それらはESG(環境[Environment]/社会[Social]/ガバナンス[Governance])と呼ばれ、機関投資家の投資基準として注目を集めました。SDGsは、ESGをより具体化し、目標を示したものであると考えられます。

企業にとってSDGsやESGが不可欠である要因はさまざまです。第一に、SDGsという指針をもとに新たなビジネスが創出できる点や、SDGsという共通の目標を持った企業同士はパートナーシップを築きやすい点が挙げられます。また、SDGsに取り組むことで、社会課題や環境問題に関心の高いミレニアル世代・Z世代の人材が集まりやすく、離職率の低下、生産性の向上などが期待されます。さらに、社会課題や政策=社会の動きに対応することは、機関投資家や金融機関の投資・融資の好材料へと結びつきます。つまり、企業にとってSDGsは重要な成長戦略になるのです。

一方で、多くの企業がSDGsに取り組むことで競争へと発展し、「SDGsに取り組まないことのリスク」が生じます。大手プラットフォーマーの中には、将来的に取引先も含めたサプライチェーン全体でSDGsに取り組むことを目標に掲げている企業もあります。裏を返せば、SDGsに取り組むことが取引条件になると言えます。ビジネスチャンスを掴み、企業として成長していくためにも、SDGsはすべての企業の経営者や従業員が意識すべき取り組みだと言えるでしょう。

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