コンデンサ(キャパシタ)

コンデンサガイド
本コラムはコンデンサの基礎を解説する技術コラムです。
今回は代表的なセラミックコンデンサの用途を取り上げてご説明いたします。
セラミックコンデンサは様々な用途で各種回路に使用されています。
代表的なコンデンサの用途にはカップリング用、デカップリング用、平滑用、フィルタ用の4種類があり、以下にそれぞれの詳細を紹介します。
カップリング用コンデンサとは、コンデンサの直流成分は通さず交流成分だけを通過させるという特性を利用して、直流+交流成分から交流成分のみを取り出すために使用されるコンデンサのことです。
回路上のトランジスタやIC等の能動素子の動作条件はそれぞれで異なるため、個々の回路ごとに最適な動作条件を設定した後に必要な交流信号のみを取り出す必要があります。
カップリングとは回路間を結合するという意味で、文字通り回路間をカップリングコンデンサを介して結合する形で使用されます。
回路上の電源ラインには、キャパシタンスやインダクタンス成分が存在し、これらの影響によって電源ラインの電圧変動が大きくなると回路の動作が不安定になります。極端な場合は電源の変動が信号ラインに重畳して誤信号が発生する場合も出てきます。
そのため、電源から流入するノイズをグランドに逃がしつつ、ICなどの負荷電流の急激な変化に対して安定した電流を供給し続ける目的でデカップリングコンデンサが使用されます。
図2に示すように、ノイズが重畳した状態であっても、デカップリングコンデンサを介すことで不要なノイズをグラウンドに逃がすことができます。
平滑用コンデンサは電源回路で整流後も発生するリップルを抑え、より直流に近くなるように信号を平滑化する目的で使用されます。
整流後に平滑用コンデンサを挿入することにより、電圧が高い時にはコンデンサに蓄電し、低い時には放電されますので、電圧の変動を抑えることができます。
コンデンサと抵抗・インダクターを組み合わせることで特定の周波数の信号のみを透過させるフィルタを作成することができます。
フィルタには低周波成分のみを取り出すローパスフィルタと高周波成分のみを取り出すハイパスフィルタがあり、透過させたい周波数に応じて使い分けがなされます。
担当:村田製作所 コンポーネント事業本部 セールスエンジニアリング統括部 N.W
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