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ミライセンスがゲームを変える 心を揺さぶるハプティクス・テクノロジー(1/3)

映像や音響の表現技術が進化し、迫力のあるゲームや映画などを楽しむことができるようになりました。そして今、触力覚表現を活用したハプティクス技術で、よりリアリティを高めたコンテンツ表現の活用に注目が集まっています。その最先端を行くミライセンスの3D触力覚技術のインパクトと技術の詳細、パラダイムシフトについて、3回シリーズで解説します。

コンテンツ表現のイノベーションによって急成長するゲーム市場

近年、仮想現実(Virtual Reality:VR)技術を活用した、臨場感のある映像表現がなされた家庭用ゲームが次々と登場しています。いまやゲーム業界は、いかにリアリティのあるゲームを作れるかが競争の焦点になっています。

ゲームとeスポーツの分野を中心とした市場調査会社であるNewzooによると、ゲーム業界の世界市場規模は、2020年時点で既に1593億米ドルであり、2023年には2000億米ドルに達すると予想されています。ゲーム業界は、年率9%の高成長が見込まれる、きわめて魅力的な市場です。こうした高成長は、コンテンツ表現のイノベーションがけん引しており、よりリアルな表現を可能にするための技術開発で、各ゲーム会社は激しい競争を繰り広げています。

これまでにも、リアルな表現を実現する技術として精緻な3Dグラフィックス技術、より高精細でスムースに動く画像の処理技術、迫力のある音響技術などが、ゲーム機の世代が変わるたびに次々と投入されてきました。そして、その都度、高性能なゲーム機の潜在能力を生かしたゲーム・コンテンツが登場し、プレイヤーを夢中にさせてきました。しかし、ここに来て、ゲーム・コンテンツの表現手段の進化に行き詰まりの兆候が見えるようにもなってきました。映像や音響の緻密さを判別できる人間の能力には自ずと限界があり、映像・音響に関連したコンテンツ表現の進化だけでは、プレイヤーが新鮮さを感じにくくなってきているからです。

Nicole Lazzaro氏「さらなるリアリティに向け、ハプティクスの活用が必須」

米国ゲーム業界を代表するビジョナリーの一人であるXEODesign社のNicole Lazzaro氏は、以下のように語っています。

「ゲーム業界の高成長は、ゲーム業界のイノベーションによってけん引されています。競争の激しいゲーム業界で生き残るため、各ゲーム会社は、毎年より良いゲームの制作とそれを後押しするイノベーションの創出に挑み続けているのです。ゲームは、最新技術を駆使したエンターテインメントです。新たなゲーム機が発売されるたびに、最新のハードウェア技術とソフトウェア技術が投入されます。イノベーションはゲーム業界をゲーム業界たらしめる要因です。また、ゲーム開発者は、常に最先端技術を学んでいく必要があります。

優れたレンダリング技術、より高精細な画像、そして多くのゲーム業界のイノベーションによって、コンテンツのリアリティを高めることが、プレイヤーが楽しむ要素となることに疑いの余地はありません。これらによって、メディアでの評価やゲーム体験の満足度が、今後5年間でますます高まっていきます。その際、『エモーショナル・デザイン』、すなわちプレイヤーの感情を導き出すことが大きなトレンドとなっています。より幅広い感情表現を扱うことができるゲームは、多くのゲームプレイヤーを魅了し、心をつかみ続けることでしょう。そして、そうした感情表現を効果的に活用したより魅力的なストーリーによって、プレイヤーの感情を引き出すことに成功したゲームが幅広いプレイヤーを獲得できるのです。

XEODesign CEO Nicole Lazzaro氏の写真
XEODesign CEO Nicole Lazzaro氏

ゲーム業界は、毎年より革新的なゲームを制作していかなければなりません。そして、近年では、没入感をテーマとした開発が進められており、次世代ハプティクス技術(単なる振動ではなく、より繊細な表現が可能な触覚フィードバック)の利用に関心が集まっています。『没入感』『ストリーテリング』『新しいゲーム機やプラットフォームでのゲーム開発』『次世代ゲーム機器での次世代ハプティクス技術の実装』『仮想現実(VR)ゲームでのハプティクスを活用した没入感の演出』をすべて実現させるため、開発者が自在に使いこなせる開発環境が求められています」。

Nicole Lazzaro

XEODesign社 CEO。「Why we Play Games」や「Fun Meter」といったホワイトペーパーの発行を通じて、さまざまなゲームに多大なる影響を及ぼした米国ゲーム業界を代表する有識者です。同氏が率いるXEOPlayは、楽しいゲームを通じて人間の潜在能力を発掘し、人を動機付け、現実の生活に変化をもたらすことを目的とするプレイソーシングのパイオニアです。ゲーム関連などのイベントでの講演実績も多く、直近では「ゲーム業界で知っておきたい20人の女性」に選ばれました。

ハプティクス技術は、ゲーム・コントローラの振動などによってプレイヤーの触覚*1を刺激し、モノが動いている様子などを肌で体感できるようにする表現手法(触力覚)です。これをゲーム・コンテンツの表現として活用することで、ゲームへのプレイヤーの没入感を高めたり、ゲーム中のキャラクターの行動に対するモノの反応を指先で感じながら物語を進める方向のストリーテリングが可能になります。

*1 触覚とは、人間の五感のひとつ。厳密には、引っ張られる・押されるなどを感じる「力覚」、接触や堅さ・柔らかさを感じる「圧覚」、表面の触り心地を感じる「触覚」など、肌で感じる多彩な感覚の総称。力触覚(ハプティクス)と同義。

触力覚は、人間が近隣にあるモノの状態や周辺の場の状況を察知するための、非常に重要な手段のひとつです。ただし、ゲーム・コンテンツの表現としては、映像や音響の表現のように広く活用していたわけではありません。シューティングゲームなどで、プレイヤーが敵からの攻撃を受けた時に振動で伝える触覚的な利用法が代表的なものでした。

これまで以上に豊かなハプティクスは、プレイヤーに新たな感動を生み出すコンテンツを表現できる可能性が出てきます。たとえば、モノを引っ張る感触、砂や水際を歩く感覚、レンガやガラスの質感、弦を弾く時の振動、モノが地面に落ちる際の揺れなどの触力覚をプレイヤーに提供できるようになるのです。こうした新たなコンテンツ表現は、リアリティを追求するゲーム業界にとって不可欠なものになることでしょう。

触力覚表現を加えて、リアルで没入感のある未来のコンテンツを実現

豊かでリアルな触力覚表現を可能にする日本発の「3D触力覚技術」

2003年、リアルで豊かな触力覚表現を可能にする次世代ハプティクス技術が、日本で開発されました。国立研究開発法人 産業技術総合研究所の中村則雄博士によって発明された、「錯触力覚*2」と呼ぶ脳科学の知見を生かしたハプティクス技術「3D触力覚技術*3」です。たとえばゲーム・コントローラなどのデバイスからの刺激によって、プレイヤーの脳に錯覚を起こさせ、リアルで豊かな3D触力覚表現を可能にします。

*2 錯触力覚とは、皮膚に加えるわずかな刺激をキッカケにして脳内錯覚が生じ、与えられた刺激とは異なるハッキリとした触力覚を感じること。ミライセンスが提唱した概念。

*3 3D触力覚技術とは、特殊な振動パターンを組み合わせることで、力覚・圧覚・触覚の3つを組み合わせ、リアルで豊かな感触を実現する技術。

技術の発明者である中村則雄博士らは、2014年、3D触力覚技術を開発・提供するミライセンスを創業し、ゲーム機など多くの電子機器に応用できる技術へとブラッシュアップしてソリューション提供しています。そして2019年、同社は村田製作所(以下、ムラタ)の傘下に入りました。ハプティクスの効果的な実現手法と活用方法を知り尽くすミライセンスと、高度で実用的なハプティクス技術の実現に欠かせないハードウェア設計技術を持つムラタが手を組むことで、高度なハプティクスを広く活用できる時代の到来がグッと近づきました。

XEODesign Nicole Lazzaro氏のコメント

ミライセンスの3D触力覚技術は、ゲーム業界での競争の論点を革新する「ゲームチェンジャー」となる技術です。引っ張られる方向さえ感じる力覚表現や、触ったモノの表面の質感表現は本当にリアルです。キャンバス、革、ジッパー、ヘアライン仕上げの金属、錆びた金属、テラコッタ、水、油を表現し分けるだけでなく、他にもいろいろな触覚を作り出すことができます。

このシリーズでは、3D触力覚技術の発明者である中村とミライセンス 代表取締役の香田夏雄へのインタビューを通じて、3D触力覚技術の特徴とより豊かでリアルなコンテンツ表現に向けたインパクトについて紹介します。

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