インダクタガイド

パワーインダクタの定格電流が2種類あるのはなぜ?

近年、世界的な省エネルギー化の流れの中で、電子機器においても低消費電力が求められる傾向にあり、電源設計の技術が重要になっています。
実際に電源設計をする上でインダクタの選定はキーポイントとなります。インダクタはICに次いでDC-DCコンバータの核となる部品であり、適切なインダクタを選定することにより、高変換効率を得ることができます。

インダクタの選択を行うための主要なパラメータとしては、インダクタンス、定格電流、交流抵抗、直流抵抗などがあり、これらのパラメータの中にはパワーインダクタ特有の概念も含まれています。
例えば、パワーインダクタの定格電流は2種類ありますが、違いについて疑問をお持ちでないでしょうか?

ここでは、そんな疑問にお答えすべく、パワーインダクタの定格電流について解説します。

●定格電流が2種類ある理由

パワーインダクタの定格電流は、「自己温度上昇に基づく定格電流」と「インダクタンス値の変化率に基づく定格電流」の2種類の決め方があり、それぞれ重要な意味を持っています。
「自己温度上昇に基づく定格電流」は部品の発熱を指標とした定格電流規定であり、この範囲を超えての使用は部品の破損やセットの故障につながります。

一方、「インダクタンス値の変化率に基づく定格電流」はインダクタンス値の低下度合いを指標とした定格電流規定であり、この範囲を超えての使用はリップル電流の増加により、ICの制御が不安定となる可能性があります。
なお、インダクタの磁路構造によって磁気飽和の傾向、即ちインダクタンス値の低下傾向が異なります。

図1に磁路構造の違いによるインダクタンス値の変化をイメージで示します。開磁路タイプの場合、直流電流が増加するにつれて、所定の電流値までは比較的フラットなインダクタンス値を示しますが、所定の電流値を境に急にインダクタンス値が低下します。

他方、閉磁路タイプは直流電流が増加するにつれて、徐々に透磁率の値が減少するため、緩やかにインダクタンス値が低下します。

図1 インダクタンス値と電流値の関係

ムラタではお客様の設計に対応できるよう、様々なパワーインダクタをご用意しています。

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担当: 村田製作所 コンポーネント事業本部 商品開発部 K.M 

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