コンデンサ(キャパシタ)
スマートフォンのGSM用PAの電源にはタンタルコンデンサ搭載されているケースが多いです。こちらの記事では、スマートフォンに搭載されるタンタルコンデンサ(以降、Taコンと記します)について、積層セラミックコンデンサ(以降、MLCCと記します)に置き換える評価を行いました。
市販のスマートフォンを入手し評価いたしました。バッテリーライン配線図の一部(当社独自の解析結果です)を下図に示します。図のように、TaコンがGSM用PAの電源直近に接続されております。
置き換え案を以下に示します。置き換えアイテムとしましては、鳴き対策用MLCC、ZRB18シリーズを選定いたしました。以下の実装写真の様に、実装スペースが50%削減されています。
C1:Taコン100uF/3216size×1pcs → 鳴き対策用MLCC 22uF/6.3V/1608size×2pcs
置き換え前後で以下の特性について確認をいたしました。
PA電源のコンデンサは、送信信号品質に影響しますので、コンデンサを置き換える場合は送信特性の確認が必要です。
電源ラインのインピーダンスが変化しますので、ノイズの重畳も変わる可能性があるので、電源ラインの電圧変動を確認する必要があります。
GSM PAは、可聴周波数(217Hz)のバースト動作となりますので、鳴き評価が必要です。ここでは、音圧レベルを評価いたします。
下図のような測定系にて送信特性と電圧変動の評価を実施しました。
置き換え後の送信特性はGSM規格を満たしております。
置き換え後の送信特性はGSM規格を満たしております。
電源ラインに重畳するノイズのレベルが小さくなっています。(7~8%改善)
電源ラインに重畳するノイズのレベルが小さくなっています。(14~22%改善)
下図のような測定系にて音圧レベルを評価しました。
評価では、まず同容量の通常品のMLCCを評価し、次に鳴き対策品を評価いたしました。
音圧レベルは、改善し、ほぼ同等となりました。(有意差ありません。)
バッテリーラインに直結するGSM用PA電源ラインのTaコンの置き換え評価をいたしました。
本置き換え評価では、GSM通信時の①送信特性と②バッテリーラインの電圧変動、③鳴き評価を実施しました。
送信特性は、初期とほぼ同等であり、GSM公規格を満たしております。
電圧変動⊿Vは、初期より7~22%小さくなっています。
音圧レベルは、Taコンに対して同等となりました。
MLCCに置き換えるメリットは他にないでしょうか?以下に示します。
下図より、100kHz以上の周波数では、Taコン(MnO2)100uFよりもMLCC 22uFの方が、静電容量が小さいにもかかわらず、インピーダンスが小さくなっていることが判ります。これは、MLCCの方がESR、ESLが小さいためです。高周波域では、MLCCの方がノイズ低減効果が大きいことがいえます。
MLCCは、低ESRのため、自己発熱量が小さくなります。
MLCCは、異常電圧に強いです。
GSM用PA電源ラインのTaコンの置き換え評価を行いました。
また、MLCCに置き換えるメリットを紹介させていただきました。
送信特性・電圧変動・鳴き評価
MLCCに置き換えるメリット
本書の置き換え案を以下に示します。
置き換え案 C1:Taコン100uF/3216size×1pcs → 鳴き対策用MLCC 22uF/6.3V/1608size×2pcs
置き換えアイテム型番:ZRB18AR60J226ME01
置き換えをご検討ください。ご協力させていただきます。