インダクタガイド

インダクタの応用製品(バラン・カプラ) 【第1回】 TVチューナの変革

これまでEMICON-FUN!ではインダクタの基礎を解説してきましたが、今回から数回にわたって、シリーズ「インダクタの応用製品」をお届けします。

【第1回】 TVチューナの変革

昨年2011年7月24日正午、日本の地上アナログ放送が終了し、本格的に地上デジタル放送の時代に移り代わりました。その昔、テレビが白黒放送からカラー放送になった時代がありましたが、それに匹敵する、あるいはそれ以上の放送界の技術変革を迎えたことになります。(40代後半より若い方にはピンとこないかもしれませんね)
また放送のデジタル化は日本だけでなく1998年にイギリスではじめて地上デジタル放送が実用化されたのを皮切りに、今では全世界で急速に進んでいて大きな市場の広がりを見せています。

この地デジ化に伴って、テレビも大きな技術の変革が進み、目に見えるところでは画面がブラウン管からプラズマ、液晶といった高精細の薄型パネルに代わってきたこと、携帯電話でテレビが見られるワンセグ放送が開始されたことは、みなさんご存知の通りです。(今年2012年4月にはマルチメディア放送であるモバキャス(NOTTV)も新しい放送メディアとして誕生する予定です。)

 

一方で、目に見えないところでも重要な変革があります。その一つは地デジを受ける受信回路、いわゆるチューナの変革です。従来のチューナは俗にMOP(Mixer/Oscillator/PLL)と言われるチューナ用ICと多数のLCR部品を組み合わせて金属製のケースに収めたチューナモジュールが主流でしたが、地デジ化の流れに呼応するようにCMOSプロセスを使った高周波用途のLSIが実用化され、機能を集約したワンチップICでチューナ機能を果たす「シリコンチューナ」が現在の大きな技術の流れとなっています。信号がデジタル化されたことによりアナログ放送で厳しく評価された耐妨害性能が緩和されたのも変革を後押しした大きな要因です。さらに一部ではチューナはモジュールから脱却し、テレビのメイン基板に直接実装する「オンボードチューナ」にも発展しようとしています。

弊社の商品であるバラン"DXPシリーズ"、"DXWシリーズ"はこのシリコンチューナに欠かせない部品です。すでに多くのセットメーカー様、モジュールメーカー様に採用され高い評価を頂いています。

☆DXPシリーズ

☆DXWシリーズ

次回以降は、この超小型バラン、デバイダ、カプラについて詳しくお伝えいたします。

 

担当:株式会社村田製作所 コンポーネント事業本部セールスエンジニアリング統括部
地デジおやじ

記事の内容は、記事公開日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。

関連製品

関連記事