インダクタ (コイル)

インダクタガイド
※当記事は2013年4月に当社HPにてリリースした内容を再構成したものです。
株式会社村田製作所は、フィルムタイプ高周波チップインダクタ (*1) において、世界最大のインダクタンス値 (*2) 39nH品を開発しました。これを含む4アイテムを「LQP02TNシリーズ」のラインアップに追加し、2013年4月より量産を開始しています。
スマートフォンをはじめとする小型モバイル機器のさらなる小型化と多機能化による部品員数の増加に伴い、超小型0402サイズ部品の採用が本格化しています。当社は、超小型0402サイズ高周波インダクタとして従来シリーズの「LQP02TNシリーズ」と、高いQ値 (*3) 特性を持つ「LQP02TQシリーズ」を量産してきました。
今回、従来シリーズ「LQP02TNシリーズ」の0.2nH~20nHのラインアップに22nH~39nHの4アイテムを追加しました。なお、「LQPシリーズ」の最大の特徴である独自の微細加工技術をさらに発展させることで、0402サイズにおいて世界最大のインダクタンス値39nHを実現しています。本ラインアップの追加により、「LQP02TNシリーズ」のラインアップ範囲は0.2nH~39nHの59アイテムとなり、世界最大数を誇ります。また、インダクタンス値の偏差についても±0.1nH (0.2~4.2nH) 、±3% (4.3~39nH) と狭偏差に対応しております。
豊富なラインアップとインダクタンス値の狭偏差対応により、超小型0402サイズを用いた回路設計の自由度を向上 させ、スマートフォンをはじめとする電子機器のさらなる小型化、多機能化に貢献します。今後は、さらなるインダクタンス値拡大やQ特性の向上、小型化の開発を進めてまいります。
なお、当商品は、RoHS指令 (*4) での規制対象物質を使用しておりません。
詳細についてはこちらからご覧いただけます。
*1 インダクタ: コンデンサや抵抗器とともに電子回路の基本となる部品で、コイルとも呼ばれている。主な用途として信号系と電源系の2種類に分類が可能で、「高周波用インダクタ」は信号系のインダクタに該当し、特に高周波回路などで使用するものを指す。電気信号を伝える回路で主に周波数マッチングやフィルタとして使われる。電源系のインダクタは、半導体への電源供給回路で、ノイズ抑制や平滑などの役割を果たす。
*2 インダクタンス値: インダクタの基本的な電気的性能で、抵抗素子の抵抗値やコンデンサ素子の静電容量と対になる性能である。高周波回路においては回路の設計値に適合したインダクタンス値のインダクタが必要になり、必要なインダクタンス値が得られない場合はより大きな部品を選択する必要がある。このため、インダクタンス値の対応範囲が広くなることはセットの小型化に寄与する。
*3 Q値: Quality factorの略語であり、数値が大きいほどインダクタにおけるロスが小さくなる。高周波回路においては微小な信号を効率よく伝送する必要があるので、これらの回路においてはQ値が高いほどロスが少なく高性能なインダクタであるといえる。
*4 RoHS指令: 電気・電子機器における鉛、カドミウム、水銀、六価クロム、PBB、PBDEの使用を制限する指令
※当社インダクタについて詳しくは以下をご覧ください。
▼インダクタWEBサイト
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