カーエレクトロニクスの未来

自動車技術のさらなる発展の一翼を担う、トータルソリューションパートナーを志す

自律運転やxEVといった自動車の進化には、エレクトロニクス技術が欠かせません。
未来のクルマの鍵を作り出す、ムラタのビジョンをお届けします。

※2018年インタビュー当時の役職です。

常務執行役員
営業本部 本部長
薗田 聡

 

次世代自動車が担う市場の未来

新興国需要を中心に安定成長を続ける自動車市場では、車両そのものも日進月歩の進化を続けています。性能向上が進むEV車(電気自動車)やHEV車(ハイブリッド車)だけでなく、近年は次世代自動車として「コネクテッドカー」が特に注目を集めています。

コネクテッドカーは、車両状態や道路状況といった様々なデータを集積し、車外との通信を活用してドライバーを支援する自動車です。V2Xは自動車と自動車(V2V:Vehicle to Vehicle)、または自動車と信号機などのインフラ(V2I:Vehicle to Infrastructure)が直接通信することで、衝突などの事故の防止および効率的な交通システムの構築を目的としており、将来的には完全自動運転につながる重要な技術になると予測されています。

こうした自動車業界の動向を受けて、高度な自動車用製品を支えるエレクトロニクス部品の市場も、やはり堅調です。

 

自動車業界でのムラタの歩み

ムラタの自動車向け製品事業は、カーラジオ部品の供給から始まりました。自動車の高機能化と電子化を支え、市場動向を見据えながら徐々に売上を伸ばしてきたその歴史は、45年を超えました。

例えば、PAS(駐車支援システム)に欠かせない超音波センサには、ムラタのセンシング技術と圧電セラミックスが使用されています。また、米国で法制化されているTPMS(タイヤ空気圧監視システム)には、電池の消耗を抑え、システムの耐用年数を延ばすために、ショックセンサが採用されています。快適性と安全性の向上にたゆまず挑み続けてきた自動車業界で、ムラタもまた歩み続けてきました。

革新技術を支えるコンデンサ

主力分野であるコンデンサの領域では、2016年4月、V2X(車車間/路車間通信)向けの自動車グレードHigh Q積層セラミックコンデンサを業界で初めて開発しました。V2Xは、自動車と自動車、または自動車と信号機などのインフラが直接通信することで、事故を未然に防ぐ技術です。現実のものとなりつつある完全自動運転の要として注目を集める最新技術であり、使用されるコンデンサには高度な通信規格のクリアが要求されます。極めて厳しいその要求に応えたことで、ムラタはセラミックコンデンサNo.1メーカーの自負をさらに深め、新たなニーズに応えるための研究開発に一層の力を注いでいます。

車内の人とモノを繋ぐインフォテイメントからスタートし、車内の人と車外の環境とを結ぶV2X技術への貢献を果たした今、ムラタは成長市場の一員となるだけでなく、自動車技術のさらなる発展の一翼を担うことも志しています。

 

エレクトロニクスは未来のクルマの鍵

今後の自動車市場は、車両のスマート化、すなわち情報集積と通信機能が支える多機能化・高機能化によって、単なる車両需要の増加に留まらない、巨大な可能性を秘めています。自ら考え、走り、ドライバーを守る、文字通りの「自動車」が登場する未来は目前です。

ムラタは、主力のセンサ・コンデンサ技術にモバイル分野で培った通信技術を加え、自動車メーカーと共に未来のクルマの鍵を作り出す、トータルソリューションパートナーを目指します。

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