コンデンサ(キャパシタ)

コンデンサガイド
本コラムはコンデンサの基礎を解説する技術コラムです。
今回はセラミックコンデンサの種類についてご説明いたします。
セラミックコンデンサと言っても色々な種類があります。お客様の要望により、表1のように様々な用途に応じた商品を開発し取り揃えているのが村田製作所の特徴と言えます。
表1.セラミックコンデンサの種類
タイプ | |
---|---|
一般電子機器向け | 汎用 |
自動車用 | |
特定用途 | 高周波低損失型 |
マイクロチップ型 | |
低ESL型 | |
アレイ型 | |
中高圧 | |
トリマコンデンサ |
スタンダードなセラミックコンデンサ。サイズは0.4×0.2mmから5.7×5.0mmまで、取得容量は0.1pFから100uFまで、定格電圧は4Vdcから630Vdcまでと豊富なラインナップを取り揃えており、セラミックコンデンサの中でも最も大量に使用されています。
携帯電話や通信モジュール、移動体通信基地局など、高周波回路での使用を目的に開発された商品。内部電極に比抵抗値の小さいCuを使用することで高周波での低損失を実現しています。
高速無線通信回路や光通信関連機器におけるICなどのパッケージ内へ組み込むことを目的に開発された商品。表面電極にAuを使用することで高周波特性が良く、ボンディング性に優れています。
ESL成分を小さくし、CPUなど高周波回路でより高速な電荷の充放電を可能とすることを目的として開発された商品。電流経路を短くしたり、電磁界が相殺するように電極を配置するなどして低ESLを実現しています。
※ESLについては、"コンデンサの基礎【第2回 セラミックコンデンサの機能と特性】"で説明させていただきましたので、こちらをご参照ください。
部品の実装密度向上、実装コストの削減を目的として開発された商品。近年世界最小サイズの0.9×0.6mmのコンデンサアレイが誕生しました。
絶縁破壊電圧値の高いセラミックス誘電体を用い、さらに内部電極構造を工夫することでkV単位の定格電圧を実現したコンデンサ。さらにはスイッチング電源の一次側Xコンデンサ、Yコンデンサとして、国際安全規格の認定を取得したコンデンサもあります。
コンデンサの静電容量値を連続的に可変できることを目的として開発された商品。発振回路の周波数微調整用や、回路のインピーダンスマッチング用に使用されています。
担当:村田製作所 コンポーネント事業本部 セールスエンジニアリング統括部 K.U